愛人募集掲示板

愛人募集掲示板で知り合ったナナセさんは、どこか陰のある人だなとは思っていた。
当時の僕には奥さんがいた。そして、ナナセさんも人妻だった。つまり僕たちはダブル不倫だったわけである。
「お互いが愛人ですね」
と、ナナセさんは笑っていた。そうなのである。僕にとってナナセさんは愛人、彼女にとって僕は愛人。お互いに本家のパートナーはいる者同士の愛人関係だった。
なぜ愛人募集掲示板で旦那さん以外の男性を求めたのか?と聞くと、ナナセさんは「あなたと同じ理由」と言っていた。僕と同じ理由とはどういうことだろう?僕は別に奥さんに不満があったわけではない。ただ、マンネリで自分への刺激が無くなったことは確かだ。こんな言い方が適切かどうかはわからないが、いわば火遊びだ。ナナセさんにとっても、本気にはならない火遊び程度の愛人募集掲示板への書き込みだったのだろう。
ただ、遊びだったのだけど、ナナセさんと交わっている時は本気だった。そのひと時だけは奥さん以上に彼女のことを愛したと言っていい。それは、ナナセさんもきっと同じだったのではないだろうか。彼女は僕の上で何度も果てた。
愛人募集掲示板を使って分かった困った時に支援してくれる人の探し方
ただ、それも過去の話だ。ある日、ナナセさんとは連絡が取れなくなった。所詮火遊びだ。遊びは飽きるもの。正直な話、僕はまだまだ未練はあったが、相手が飽きてしまったらそれまで。わずかな間だったが、楽しませてくれて本気で愛し合わせてくれたナナセさんには感謝しかなかった。そして、願わくば、またナナセさんが火遊びをしたくなった時は、僕を指名してくれることを望んでいた。しかし、それは永遠に叶わない夢だった。
ナナセさんは既にこの世にいなかった。彼女のSNSには身内の方が訃報を書き込んでいた。ナナセさんは交通事故で亡くなっていた。その日付を見ると、僕との最後の逢瀬を楽しんだ日のことだった。その帰り道で彼女は事故に遭いこの世を去っていた。
ナナセさんは僕との愛人契約を残したままこの世を後にした。つまり、永遠に僕の愛人となった。忘れようにも忘れられないナナセさんとの記憶とともに、僕は彼女の分までのうのうと生きていくことになるのだろう。
無償でお金が欲しい
愛人募集掲示板