お金欲しい掲示板

確かにシマモトサワと言う名前だったように覚えている。とは言え、5年ほど前の話なので名前まではおぼろげなところもあるのだが、その存在ははっきりと覚えている。彼女とは以前、援助交際をしていた仲だった。
シマモトサワと出会ったのはお金欲しい掲示板だったと記憶している。お金に困っている人間が無償で支援を募るどこまで真面目なのかよくわからない掲示板である。そこでシマモトサワは支援を募っていた。シングルマザーで1歳の子供がいるが、つい先日、働き口から解雇されて、失業状態のためミルク代もままならない状態である。しばらくの間、援助してほしいと言う要求だった。
なお、改めて書く必要はないと思うが、この手のお金欲しい掲示板の支援の見返りはセックス以外に他ならない。おしゃれに着飾りたいだけであるギャルの援助要請だったら全然後ろめたさはないが、さすがに子持ちのシングルマザーが相手だとなかなかに背負うものは重い。そのため、声をかけたのは僕くらいのものだったと思う。理由は単純で生活拠点が近かったから、と言うだけだ。
食事するだけお金
シマモトサワは予想以上に美人だったが、どこか怯えたところがあった。そこらのスーパーで買ったような安っぽいトレーナー姿がそう思わせたのかも知れない。話を聞くと、子供の父親以外の男とは経験がなかったらしい。ちなみに、父親である男性は妊娠発覚において「養えないから堕ろせ」と言ったらしいが、彼女がそれを断ると逃げるように行方をくらましたそうだ。
「息子をきちんと育てることが彼への復讐です」などとシマモトサワは言っていた。その為には、バイタに身を落とす覚悟も持っていたのだ。行為の後、僕が約束通りにお金を渡すと、涙を流して喜んでくれたことは覚えている。
テレビのニュースでは、そんなシマモトサワ容疑者が警察に連行されていた。罪状は児童虐待だった。テレビに映るシマモトサワは5年前のみすぼらしい恰好ではなくてブランド物のファッションに身を包んだ派手な女へと変貌していた。
おそらく、僕との経験によりセックスでお金を稼げることに目覚めたシマモトサワは、経済的にはともかく人生的に転落していったのではないかと思う。あの時、僕が彼女を抱かなければ、きっと貧しいながらも子供を愛でつつ幸せな暮らしを送っていたのではないか、と考えるとやるせない気持ちになった。
口割
サポ掲示板